コラム

乃木坂46佐々木琴子、自然体の奥にある慈しみ

2015年05月01日 07時00分

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 そして、2月22日に西武ドームで行われたバースデーライブで琴子を含む6人の研究生が正規メンバーに昇格することが発表される。ここからが本当の意味でのスタートだ。

 気がつけば、「アニメの話題だけ饒舌になる」「普通にジャージで電車に乗る」「ブログで友だち99人を募集して抽選で決める」「めんつゆを薄めて飲むのが好き」といった言動から、琴子には「他人と違う」個性があることが周りに知られるようになっていた。だが、「琴子ワールドがある」という評価には、「あぁ、そうなんだ」とサラッと流す。みんなと何が違うのかはわからないという。琴子はただ自然体なだけなのだ。

 かといって、決してドライというわけではなく、むしろ「情が深いのでは」と思わせる面もある。アンダーライブセカンドシーズンでは、怪我で前半の公演に参加できなかった山﨑怜奈を、ステージ上で自然な形でフォローした。昇格組6人の対談を取材した時は、自身の個性を聞かれて答えに窮する鈴木絢音と渡辺みり愛に、さりげなく助け船を送る場面もあった。不器用そうに見えて、仲間のピンチにはサラッと優しさを差し出せるのは、彼女の魅力なのかもしれない。

 取材時に「1期生は琴子さんの努力を認めてますよ」と伝えた時、ふいに涙を流したこともある。今年4月に開催されたアンダーライブサードシーズンの2日目。ライブの最後にセンターの中元日芽香が、「2期生は最初のアンダーライブの『バレッタ』で下ばかり向いてたのに、今はキラキラしながら『ボーダー』を歌っている」、そんな話をすると琴子は感極まって真っ先に泣いてしまった。

 そのアンダーライブサードシーズンでは朗読のコーナーがあり、琴子は「乃木坂に入る前は自分の名前が嫌いだったが、ファンの方に『名前と雰囲気が合ってるね』と言われるようになって、自分を理解して好きになった」という主旨の発言をした。彼女は少しずつ自分のことがわかりはじめてきている。

 6月からはじまる舞台『じょしらく』で、琴子はまた新しい自分を見つけるはず。まだ夢と現実のボーダーを走っている状態なのかもしれないが、琴子という名の希望が、古い地図を書き換える日がいつか訪れることだろう。

乃木坂46『命は美しい』

大貫真之介 アイドルとお笑いを中心に執筆。乃木坂46写真集『乃木坂派』、『EX大衆』、『TopYell』、『日経エンタテインメント』、『an an』アイドル特集号、などで乃木坂46のインタビュー記事を担当した。
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タグ: 乃木坂46 

          

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