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UPDATE|2014/10/06

さくら学院公開授業レポート「岡田愛が〝若頭〟を襲名!?」

さくら学院公開授業「俳句の授業」1限目レポート 04.OCT.2014

さくら学院の公開授業「俳句の授業」が、東京・有明のTFTホール500で行われた。今回の講師は俳人・エッセイストの夏井いつき先生。創作活動だけでなく、俳句集団「いつき組」組長として、全国の小中高校生対象の俳句の授業〈句会ライブ〉を行うほか、全国高校俳句選手権「俳句甲子園」の運営やTV番組など、幅広く活躍している。TVでは辛口のコメントで知られている夏井先生が、さくら学院の生徒たちの俳句をどう切り捨てる(笑)のか注目だ。

森先生が台本に込めたプロポーズ


 夏井先生は続けて「例えば『秋の空』という季語がアタマに来たら、残りの12音のフレーズだけ作ればいい」と、俳句作りは簡単なんだと説明する。そして1音くらいの字余り字足らずは気にしないでいい、大事なのはオリジナリティですと説く。この12音を夏井先生は「俳句の種」と呼び、担任の森先生を題材に種を作ってみることに。

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 夏井先生は森先生に質問。

「結婚してる?」「一応」

「プロポーズした?」「はい」

「プロポーズの言葉は?」「生徒の前で?」と躊躇う森先生に、「勉強のためです。別にアナタの個人的なこと知りたくて聞いてるんじゃない」と会心の一撃。これには森先生も為す術無く「10年くらい付き合った彼女がいて、1年くらい同棲していた。ある朝仕事で書き上げた台本を彼女に読んでもらった。それは長年付き合ってるカップルの話で、最後に男が女にプロポーズするんだけど、初めて彼女が僕の台本読んで泣いたんです」と告白。これには年頃の生徒たちもみな興味津々で聞き入る。森先生はさらに続け「その日は付き合って10周年の記念日だった。で、『台本の最後の台詞が俺の気持ちだから』って言ったんです」。場内やんやの大歓声。

 夏井先生は「その主人公の台詞をホワイトボードに書いて」と指示。森先生は照れながらもドヤ顔で「ずっと待たせてごめんなさい」。生徒も観客も拍手だが、夏井先生は「こんな言葉に騙される女がいるなんて」と毒づいて爆笑を誘う。続けて「これでちゃんと俳句の種になってる。頭に季語を付ければいいんです」と付け加える。

「秋の空 ずっと待たせて ごめんなさい」なら、気持ちのいい秋の空の下ってことになる。「秋の朝~」なら清々しい感じに、夜なら「星月夜~」なんてのもいい。もうちょっと悲惨にするなら「木枯らしや~」なんて風にもできる。季語が俳句の種の感情を表現してくれる。ロマンチックにしたければロマンチックな季語を、悲しそうにしたければ悲しそうな季語を選ぶだけで俳句になってしまうのです、と説明。これには生徒たちも納得したようだ。

 さてここからは生徒たちの実習。12音の俳句の種を作ってみることに。今まで生きてきて一番嬉しかったこと楽しかったことを12音に、もし嬉しいことが一つもなかった生徒は悲しかったことを種にすることになった。季語は秋ということで、楽しい種を見つけたら「秋うらら」という季語、悲しい種を見つけたら「そぞろ寒」という季語を付けることに。


次ページからいよいよ生徒たちの実践編!

さくら学院は「ひとつになって走り出す」


 そうして完成した生徒たちの句は、句合わせというゲーム形式で対戦することになる。誰が詠んだかわからない形で2つずつ発表され、生徒たちは自分の句かどうか悟られないようにしながら論評する。そして紅白どちらの句が良かったか、来場者が事前に配られた紅白の扇形のしおりを挙げて、その数で優劣を競うのだ。では生徒たちの句を見ていこう。

A:秋うらら 朱に交わらず 朱とあるく
B:秋うらら 転入できた さくら学院

 大賀は「Bは秋うららとさくらと季語が2つあるのがちょっと……」とまともな論評したかと思えば「Aは朱の意味がわからない」と笑わせ、岡田は「朱は字がカッコイイ! 歴史みたい」、倉島は「朱が2回使われてるのは強調になっていい」と評した。さて、会場の評価は僅差でAの勝ち。負けたBは作者が倉島と明かされた。

次の対戦は
C:秋うらら 起きててくれて ありがとう
D:そぞろ寒 いってきますが さみしい日

 菊地は開口一番「Dは誰が書いたかわかった!」と得意顔。これには夏井先生から「作者はどうでもいいんだよ、俳句を語ってくれ」とツッコミが入る。菊地はそこで「Dの方は気持ちがわかる。」とし、水野も同意。大賀は逆にCを支持。しかし理由を上手く説明できず、やっぱDですかねと前言撤回した。さて、場内の評価はDの圧勝。負けたCの句は大賀の作と暴露され、場内は大爆笑。大賀は「お母さんが夜遅く寝ないで起きててくれたことがあって、泣きそうなくらい嬉しかったので」と説明した。夏井先生は「季語が気の毒だった。夜の季語で星月夜~だったら良くなった」と評した。

E:秋うらら 心を一つに 走り出す
F:秋うらら 背がこんなにも 伸びていた

 Fの句には場内からも笑いが漏れる。森先生も「自分のヒントを入れるのはやめて」と困惑顔だ。岡田は「メグも夏に5センチ伸びたのでFが好き」、大賀と菊地は「さくら学院らしい」という理由でEを選択。水野は作者が自分だと既にバレバレのFを「オリジナリティがある。他の人には全然ない発想がこの人にはある」と評して爆笑された。来場者の支持は僅差でE。負けたFは予想通り水野の作品だった。

 決勝に残ったのはA、D、Eの3句。夏井先生は「3つとも今日初めて作ったのにちゃんと詩になってるしなかなかの出来」と褒めた。大賀はDを推薦し「行ってきますと言って行っちゃったら、帰ってこれない可能性があるから」と発言。これには会場も「え~!?」とびっくり。夏井先生は「そんな覚悟で!?」、森先生は「毎日サバイバルだな!」とツッコんだ。倉島はE、菊地はAを推薦。水野はEについて「こういうのを書きたかったけど身長に行っちゃった」と笑わせた。岡田はAの「朱は信長様が言いそうでかっこいい」と絶賛した。

 場内の挙手の結果、優勝はDの作品に。大賀はAが岡田、Dが白井、Eが菊地と予想するが全部ハズレ。場内は大爆笑。優勝したDを詠んだのは岡田。Aは菊地、Eは白井だった。菊地は岡田に負けたことを「ちょっと悔しいけど、ずっと好きって言ってくれてたから」とコメント。岡田は歴史っぽい朱という文字を心から気に入ったようだ(笑)。

 自分の作品について岡田は「メグは、いってきますって言葉が好き。学校行く前にお母さんに怒られちゃって、その時のお母さんの行ってきますがちょっと冷たくて悲しかった」と説明。森先生は「生まれてきて一度も嬉しいことなくてコレか。みんな岡田にもっと優しくしてあげよう」と笑わせた。

 菊地は「秋は紅葉のイメージで朱を使ってみた。みんなと一緒に歩くのもいいけど、朱に交わらず自分を貫き通せたら」と説明すると、「生徒会長みんなを連れて行かないの?」と森先生はツッコんだ。

 白井は「秋と言えば学院祭で、みんなで心を一つにして走り出す時期なので」と白井らしい一句を説明した。

 優勝した岡田への賞品として、夏井先生は「今日からいつき組の若頭を名乗ってもよい」とお墨付きを与えると岡田は「やったーっ!」と大喜び。意味がわかっているのか不安だ(笑)。

 夏井先生は「もっととんでもないと覚悟してたけど、みんなちゃんと日本語を紡げるのでびっくりした。ちょっと磨けば俳句の才能はありそう。心配なのは森先生だけ」と場内を爆笑の渦に。これには森先生も「嫁をちゃんと幸せにしてます!」と返していた。

 最後は告知タイム。白井が学院祭の告知で「まだこのメンバーで披露したことのないあんな曲やこんな曲もやります」と宣言すると、水野プロデュース委員長が〝楽しみにしててね〟とでも言いたげにニヤリと笑ったのが印象的だった。大賀は12月7日のライブの告知を「金沢芸術劇場(本当は神奈川芸術劇場)」と間違え、爆笑を誘う。森先生は「みなさんの行ってきますがさみしい」と返し喝采を浴びていた。

 俳句という比較的わかりやすいテーマで生徒の理解度も高かったように思えた今回の公開授業。続いて行われる2時限目は果たしてどんなことになるやら?

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竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。 

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