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UPDATE|2014/12/20

小島和宏 HKT48台湾密航記3:地上390メートルの決戦

小島和宏 HKT48台湾密航記2:前夜祭潜入編はこちら!

 この日、入場することができたのは、翌日の台湾公演のチケットを持っている人たちだけ。ある意味、台湾のHKTファンの精鋭陣、ということになるが、それでも結構な人数になるので(約700人)、ステージをひとつだけ設置したのでは、お客さんが入りきらない。

 そこで円形になっている展望台広場の形状を利用して、ステージを3つも設置。そして、それぞれのステージの前に観覧エリアを設けて、お客さんを割り振ることで、うまい具合に収容していた。

 それじゃ、見る位置によってメンバーに偏りが出てしまうんじゃないか? と思ったが、なんと1曲歌い終わるごとに、メンバーはステージを大移動。お客さんは定められた場所で待っていれば、47人のメンバーが入れ代わり立ち代わり、目の前にやってきてくれる、というシステムになっていた。

 結果、何度も全力疾走することで、メンバーたちの寒さはいくらか軽減されていたような気もするし、なによりもイベントがスタートすると、強風がピタリと止んだ。このあたりはさすがに持っている!

最前列のお客さんが客席側を向いて、メンバーと一緒に『恋するフォーチュンクッキー』を踊る。「おにぎり」はもはや世界共通語!

メインステージの真裏にも、お客さんがいて、メンバーがやってくる。円形の会場ならではの演出である。

 イベントは全5曲。HKT48のシングル曲に『恋するフォーチュンクッキー』をプラスした最強のセットリストだ。

 特に『恋するフォーチュンクッキー』では、最前列に陣取った54名のお客さんと、47人のメンバー、つまり「101」人でダンスを披露する、という台北101ならでの面白い趣向も見られた。

 これは台北のお客さんも『恋チュン』を踊れる、という大前提があってこその演出。そうか、ダンスならば「言葉の壁」も関係ない。いや、それどころか客席からは「おにぎり!」の大コールが飛んでいる。短い時間のイベントとはいえ、HKT48のひとつのウリである楽しいトークがなくても、会場が一体となった熱狂のライブは寒空の下でも、ちゃんと成立するのだ。それがわかっただけでも、前夜祭を12月に野外でやった意義はあった。

 さすがに終演後は「寒い、寒い!」と楽屋に駆けこんできたメンバーだったが、そこには白衣を着たドクターが待機していた。幸い、誰もお世話になるメンバーはいなかったようだが、そういうしっかりとした体制でイベントが開催されていたことは記しておきたい。

イベントが終わるころには、台北101はこのようにライトアップ。メンバーは見ることができただろうか?

 この日のイベントでは地元のDJの方が司会をしてくれたのだが、メンバーとのトークの中で「台湾には魯肉飯(ルーローファン)というおいしい食べ物がある」と紹介して、メンバーが「それ食べたい!」と食いつく一幕があった。昔は新宿や渋谷にも台湾のチェーン店があって、日本でも気軽に食べることができたのだが……こんな話を聴いたら、もう食べるしかない。

台湾グルメが気軽に楽しめる「夜市」。深夜まで営業しているので、取材後でも全然、大丈夫なのだ。

大衆食堂的なところで魯肉飯を食す。日本円で100円程度だが、しっかり煮込まれていてバカウマなのだ。

 終演後に個別取材できそうな状況ではなかったので(だって楽屋から、47個のスーツケースが続々と出てきて、急いでホテルに向かう空気感満載だったんですよ)、夜市に直行して、魯肉飯をはじめとした、B級グルメを満喫。安いし、旨いし、こりゃ天国だ。

 ホテルにチェックインすると、日本のBS放送がすべて見られる環境だったので、テレビを点けっぱなしにしながら仕事をしていると、音楽番組にSKE48が登場。4月までHKT48 の一員だった谷真理佳の姿を台湾で見つけて、なんだかほっこりした気分になった(つづく)。

次回「HKT48台湾密航記4:台湾のAKBショップを直撃!?」をお楽しみに!
 
小島和宏 1968年生まれ。週刊プロレス記者として8年間活躍し、現在はフリーライター&編集者として、エンタメ分野を中心に活躍。近年はももクロやAKB48などのアイドルレポートでファンの支持を得ている。

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