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UPDATE|2015/07/20

AKB48が切り開いたアイドルソングの鉄則「王道8ビートロック」 マーティ・フリードマン★鋼鉄推薦盤

ボクがこの連載を開始してから、1年が経ちました。みなさんご愛顧ありがとうございます! それで先日この連載のバックナンバーを読んでいたら、ボクが語っていることって、大体5つくらいに集約されていることがわかったんです。

 そこで今回のターンでは、1年間の連載の総まとめとして『外国人のボクから見た、日本のアイドルPOPSの特徴5つ』というテーマでお送りしようと思います。


●その1「アイドルPOPSは王道8ビートロックが多い」

 日本のアイドルの特徴は、ロック系の曲が多いことです。イントロに印象的なギター(orシンセ)+8ビートのロック風のドラム+ギターソロというアレンジメントの上に、ハッピーなメロディが乗る、というある種のパターンが存在している。これはおそらくAKB48『へビーローテーション』がヒットしたあたりから定番化したんじゃないかな? ボクが記憶に残ってる限りで、このパターンの楽曲を挙げてみよう。

・AKB48『前しか向かねえ』
・AKB48『希望的リフレイン』
・HKT48『桜、みんなで食べた』
・HKT48『12秒』
・さくら学院『My Graduation Toss』
・PASSPO☆『TRACKS』

 ほら、みんな似たパターンを持ってるでしょ? じゃあ、なんでこのパターンの曲が増えるのかというと、「わかりやすくて誰でも楽しめる」「ノリやすい」、そして「ファンのみんなのコール(声援)やヲタ芸を入れやすい」ということだと思うんだ。つまり、これは曲を作っているコンポーザーたちが、ちゃんとファンのことを考えている、という証拠でもある。

 ちなみにこのスタイルは世代や国境を超えて定番化してるんだ。80年代の日本のバンドブームでもこういう曲は多かったみたいだし、2000年代を過ぎたころのアメリカのメインストリームのロックにもこういうスタイルがあって、グリーン・デイ、サム41、ボウリング・フォー・スープなんていうバンドがよくやっていた。

 そういえば以前この連載で触れたPASSPO☆『TRACKS』は、先のボウリング・フォー・スープの日本のアイドル版っていう感じがするね。PASSPO☆のボーカルトラックを抜いたら、ボウリング・フォー・スープのサウンドみたいに聞こえると思うよ。でもPASSPO☆の声があるから、アメリカのロックみたいには全然聴こえない。もしかしたら、アイドルソングの一番重要な要素って「アイドルの声」そのものなのかもしれない。

(構成・文/尾谷幸憲 協力/バラン野島)

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