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UPDATE|2015/08/08

武藤彩未TIFレポート「初めてのTIF、2日間で残したもの」

武藤彩未「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」ライヴレポート@お台場・青海特設会場 2015.AUG.1&2

 武藤彩未が、TOKYO IDOL FESTIVAL(以下TIF)に戻ってきた。2010・11年にさくら学院の生徒会長として、この舞台に立って以来、実に4年ぶりである。その間レッスン期間を経て、昨年4月にメジャーデビュー。ライヴ経験を重ね着実にステップアップし、今年4月29日、19歳の誕生日には渋谷公会堂の地を踏むなど、孤高のソロアイドルの地位を確実なものにしてきた。その後、7月の南関東4公演のツアーを経て、さらなる挑戦の場所を求めてのフェス参加となった。ひとりで立った懐かしの地の景色はどんなものだったのか? 武藤の2日間をレポートする。
 

 初日は13時15分からの「SMILE GARDEN」のステージ。真夏の太陽がさんさんと降り注ぐ。いつものようにナウシカのテーマに乗って登場した武藤は、鮮やかなピンクのノースリーブの上に、カラフルなフレアのミニスカート。「皆さん初めまして。TIF初参加の武藤彩未です」と挨拶する。とはいえTIFはさくら学院でも経験済み、フェス出場も慣れているとあって気負いも萎縮もない。いつも通りの表情で最初の曲『Seventeen』がスタートした。手拍子で盛り上がる観客に武藤は嬉しそうな表情。上手から下手までステージ上を何度も往復しながら観客に手を振って応える。

 1曲で観客の心を掴んだ武藤、両腕を大きく振らせ、「AYM」の形を作って盛り上げる。『Run Run Run』では、様々なアイドルのタオルが観客の頭上で振られ、カラフルな波が踊るフェスならではの光景。曲はそのまま『Doki Doki』へ。ファンにはお馴染みのノリのよい曲の連続で客席の拍手は鳴り止まない。初見で様子見を気取っていた後方の観客たちも、いつの間にか笑顔で手拍子を送る。ライヴ映えする楽曲と武藤の歌唱力。数多くのアイドルたちのライヴを観てきたであろう観客の心も簡単に捉えてしまったようだ。

 2日目、武藤が登場するのはメインの「HOTSTAGE」。15時15分ともっとも気温が上がる時間帯、後輩のさくら学院の直後の出番である。転入生6人を加えた新生・さくら学院のフレッシュなステージの後、彼女たちにとっては憧れの先輩である武藤がどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか。

 大きな手拍子に迎えられて舞台に登場した武藤、あまりの観客の数に驚いたのか、一瞬厳しい表情を見せる。珍しく緊張しているのだろうか。前日とは打って変わり、『宙』でしっとりとライヴはスタート。「初めまして、武藤彩未です。後輩のさくら学院からパワーをもらいました。みんなの分まで1曲1曲大切に歌います!」と宣言すると、観客は大きな手拍子でそれに応える。宣言通り、ひとつひとつの言葉を丁寧に歌う武藤。伸びやかな歌唱に初見のファンも驚いたように、さらに身を乗り出して聴き入る姿が目立つ。

 続く曲はライヴでのキラーチューン『交信曲第1番変ロ長調』。「盛り上がっていくよ!」と叫ぶ武藤に「ハイ!ハイ!」と手拍子で盛り上がる観客。彩未コールの大きさに武藤は嬉しそうな表情を見せ、広いステージを広いと感じさせないようなダイナミックな動きでフロアを煽る。

たったひとりでのTIFで、アイドル・武藤彩未のすごさを見せつけた

 「一緒に盛り上がって!」と腕を左右に振り、A・Y・Mの形を作る。無数の観客が真似する光景に「とっても幸せ!」と心から嬉しそうだ。白いノースリーブに青地に黄色い星がちりばめられたミニスカートという爽やかな装いの武藤だが、早くも全身汗だくになるほどヒートアップ。『Run Run Run』ではフロア一体となってタオルを振り回し、『A.Y.M.』ではA・Y・Mの形を頭上に示して盛り上がる。

 続いての『パラレルワールド』では、「皆さんと一緒にジャンプしたい!」とイントロで大ジャンプ大会。ライヴをするのが好きでたまらないという表情で跳ぶ武藤。しかし30分という持ち時間は武藤にとってはあまりにも短い。あっという間にラストの曲『OWARI WA HAJIMARI』。猛暑日の暑さの中、観客たちも渾身の手拍子とコールで最後まで熱い声援を送る。

 武藤彩未ソロとして、初めてのTIFに臨んだ2日間が終わった。思う存分ファンにその魅力を見せつけた2ステージになったと感じる。たったひとりでステージに立ち、すべての観客の注目を一身に浴びるソロアイドルの凄みを多くの観客が感じたのではないだろうか。

 今年のTIFで、初見のファンに特に評判が良かった武藤。30分が物足りないと感じたファンは、ぜひワンマンライヴに足を運んでみてもらいたい。きっと幸せな2時間が過ごせるはずだ。

(撮影/泉 三郎)


セットリスト
8月1日
01 Seventeen
02 Run Run Run
03 Doki Doki
04 OWARI WA HAJIMARI
05 彩りの夏

8月2日
01 宙
02 交信曲第1番変ロ長調
03 Run Run Run
04 A.Y.M.
05 パラレルワールド
06 OWARI WA HAJIMARI

 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。 

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