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仮面女子『恋の引金(トリガー)』に見る新しい音楽ビジネス形態とは? マーティ・フリードマン★鋼鉄推薦盤

2015年08月29日 07時00分

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 ジェイソンマスクを付けた最強地下アイドル集団〝仮面女子〟。彼女たちとは国内屈指のメタルフェス「LOUD PARK 2014」で共演させていただいてますね~。で、今年の1月にシングル『元気種☆』でオリコン1位を獲得。それに続く新曲として登場したのが、この『恋の引き金(トリガー)』です。

仮面女子『恋の引金(トリガー)』

#49_仮面女子『恋の引金(トリガー)』

 これは本当に飽きない曲だね~。だって、曲の構成が超面白いんだよ。まず、イントロは激しいギターでスタート。Aメロはベース+ドラムを中心としたシャッフル系ロックのオケ。それがBメロに入ると、突然、4つ打ちのハウス・ミュージック/シンセ・ポップみたいなアレンジになるんです。そしてサビに到達すると、今度はアルフィーの高見沢さんが作っていてもおかしくないような歌謡曲~Jポップ風の歌いやすいメロディが登場。さらに曲後半のブレイク部分では、BABYMETALもびっくりの超ヘヴィなギターリフが出てきたりする……。これだけプログレッシブな展開のある曲でありながら、すんなり聴けてしまうというのは、ちょっとしたマジックだよ!

 ところがですね、実はこの曲、CDでリリースされていないんですって。この音源はYouTubeでの無料配信、ライブ会場で無料で配られているCD(ライブ会場に友達を連れてくるともらえる)でしか聴けないんだそうです。普通だったら、新曲を作ったらCDでリリースをしたり、有料配信をすることを考えるものだけど、彼女たちは秋葉原にある常設劇場でのライブと、会場で行われる物販(握手会/チェキ撮影会)を中心にビジネスを展開しているみたいなんです。

 「音楽自体は無料にして、物販でビジネスを展開する」という手法は、いま世界的な潮流になってますね。世界的なバンドU2やレディオヘッドも無料で音楽を配信したことがあるし、欧米のアーティスト/エンターティナーは、ファンを集めて握手をしたり、ツーショット撮影をする「ミート&グリート(Meet & Greet)」というイベントをごく普通に行うようになってます。

 そういう時代だから、「音楽なんて意味ないじゃん?」という人もいたりする。でも、そうではないんだよね~。ただルックスがカワイイだけ、ただ見た目がカッコイイだけだと誰も振り向かない。そこに音楽があることで、はじめてアーティストは輝ける存在になれると思うんです。ライブを中心に活動している仮面女子が、一切手を抜かずに素晴らしい曲を作り出しているのは、それをわかっているからじゃないかな?

(構成・文/尾谷幸憲 協力/バラン野島)

Marty Friedman
マーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。

新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中
<O.A.情報>
テレビ朝日/毎週金曜日 26:50~
BS朝日/毎週土曜日 26:30~
CSテレ朝チャンネル1/11月7日スタート・毎週金曜日 24:00~

月刊エンタメにて誌面版「マーティ・フリードマンのヘドバン★鋼鉄推薦盤[メタルレコメンド]を連載中!

【公式HP】http://www.martyfan.com/
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