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UPDATE|2015/12/26

〝武藤彩未最後の勇姿〟残された時間を噛み締めたLIVE

2015年12月23日 東京・赤坂BLITZにて開催された武藤彩未 X&rsquo:mas Special LIVE「A.Y.M.X.」ライブレポート前編。

 「MCが足りなくて、話したいことが沢山あるんです」と語り出すと、観客も黙ってステージの彼女を見守る。その様子に武藤は「まだしんみりするところじゃないよ!」と笑い、26日に誕生日を迎えるバンドマスター、nishi-kenへバースデーソングを捧げる。ファンに向けては「私にとっては、今日がクリスマスですから。みなさんに歌のプレゼントです!」と、敬愛する松田聖子の『Pearl-White Eve』を熱唱。アコースティックギターの優しいメロディーにのせて、伸びやかな歌声を披露した。カバーだが完璧に仕上げられているところに、幼少期から松田聖子の楽曲を口ずさんできた様子が伺えた。更にここから『桜ロマンス』『とうめいしょうじょ』とスロウテンポな曲が続く。

 それにしても、武藤彩未という存在には驚かされるばかりだ。たった一人でワンマンライブを繋ぐのは、ただならぬ集中力が必要である。しかも小柄な彼女の場合、ステージ中央にはお立ち台が用意されている。基本的にはその上でパフォーマンスをするため、可動範囲は当然制限されている。大きな会場でも、彼女は過度に観客に歩み寄るようなことをしない。観客の心を、歌の力で自分の方にそっと手繰り寄せていくのだ。

 「しっとりした曲を続けて聴いていただきました。ここからは、盛り上がる曲で行きます! 後悔が無いように、気持ちを切り替えて!」と観客を煽ると、定番の&rdquo:A.Y.Mコール&rdquo:で会場を温める。「今日、赤坂BLITZは夏だーッ!」という掛け声から、『RUN RUN RUN』へ。今まで大人しく武藤の歌に聴き入っていたのが不思議なくらいに、ファンも拳を突き上げていた。マリオネットのような振り付けが特徴的な『A.Y.M』では、妖艶な雰囲気を纏いながら憂いがある表情をみせる。会場の声援に後押しされるように、残された時間を噛み締めていた。


ライブレポート後編:武藤彩未が歩み出した〝新しい一歩〟。12.23ラストライブレポート
 
achico 寝ても覚めてもアイドルポップ!なOL / フリーライター。東京生まれH!P POP育ち。日々、アイドルに踊らされています。

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