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UPDATE|2017/05/13

大阪☆春夏秋冬の東名阪ツアーから見えた、6人が進むべき次の未来とは

大阪☆春夏秋冬(略称:しゅかしゅん)にとって初となる東名阪ツアー『パーティーの始まり』が5月3日の大阪公演でスタート。本稿では5月5日に名古屋・伏見JAMMIN’:で開催された名古屋公演の模様をお伝えする。

 今回の東名阪ツアーは1部が対バンライブ、2部が毎回趣向を変えたワンマンライブという構成。ここ名古屋では1部に地元・愛知出身の「絶叫する60度」が登場し、初っ端から全力疾走の激熱なライブを披露。しゅかしゅん目当てのファンもその熱さにヒートアップし、すっかり温まった状態でしゅかしゅんの登場を迎えることができた。

 おかげで1曲目の『We will rock you』から会場はすでに全力疾走モードに突入。メンバーたちも最初からノリにノる観客を前に、初めてライブを行う箱とは思えないほどの勢いで場を支配してみせた。
 

メインボーカルのMAINAが客席を煽る!

 全6曲とコンパクトなセットリストでは1月にリリースした最新シングル『New Me』から表題曲と、カップリング曲の『ひゅるり』も披露。そんな新しめの曲でも場の熱が下がることはなく、フロアではファンの突き上げるこぶしがまるで海面のようにうねり、激しい嵐のようなライブが展開された。

 そして1部のラストにはしゅかしゅん最高のキラーチューンである『Let you fly』をドロップ。会場中が「Fly!」の掛け声に合わせて舞い上がり、サビではおなじみのヘドバンが会場中を揺らしていた。全6曲を駆け抜けたライブは、前半の絶叫する60度からフルパワーを振り絞ったファンの心地よい疲れと共にフィニッシュ。あまりの熱気に会場スタッフが冷房をギンギンに掛けたほどだ。
 

お互いに肩を組むムーブでもその速さを激しさはアイドルの域を超える。

突き出される無数の手、手、手。もっともっととさらなる熱さを求めるファンたちはどこまでも欲しがりだ。

<東名阪ツアー 名古屋1部 セットリスト>
M01 We will rock you
M02 C’:mon!
M03 ひゅるり
M04 BABYCRAZY
M05 New Me
M06 Let you fly
 

メンバーがまるで規則性などないかのように縦横無尽に動き回るのがしゅかしゅん流。初見のファンは混乱し、やがて熱狂の渦に巻き込まれていく。

1月にリリースした新曲『New Me』の決めポーズもすっかりおなじみに。まさに「パーティーの始まり」だ。

 エンタメNEXTでは1部を終えた大阪☆春夏秋冬のメンバーを直撃。グループ初の東名阪ツアーについて話を聞いた。

■愛知県でのライブで爪痕を残したい

――これで東名阪ツアー全6部公演のちょうど半分が終わりました。

恵園 名古屋でワンマンをさせていただくのが初めてで、どういう風になるんやろうと思ってたんですけど、1部では絶叫する60度さんが会場をすっかり温めてくださって、すごくやりやすったです。2部では初の試みに挑戦するので成功させたいです。
杏菜 2部で着る衣装は初披露で、今回の名古屋限定なんです!
茉奈 愛知県は「愛を知る」ということで赤にしてみました。
杏菜 セトリも愛にちなんだバラードメドレーを取り入れてます。

――そもそも愛知県でのライブ自体、少ないんですよね。

杏菜 これが3回目なので、愛知の方にも「大阪☆春夏秋冬」の名前をもっと知ってもらうために、今日のライブで爪痕を残せたらと思ってます。
由奈 これまでツアーというものをやったことがなかったから、今回もあまりツアーっていう実感がなくて。ウチらとしては一つ一つのライブを大切にしている感じです。大阪や東京から遠征してくださっているaKind(アキンド=しゅかしゅんファンの総称)の方も多いみたいです。
恵園 この東名阪ツアーでは名古屋の会場が一番大きいので集客が不安だったんですけど、1部ではたくさんの人が来てくださって嬉しかったですね。
杏菜 熱量もすごくて、この前の大阪(5月3日)と張り合っています。
茉奈 大阪は大阪らしい盛り上がりで、名古屋に来てみたら「こんなに違うんやなあ」って。
由奈 『Let you fly』の最初とか、みなさんで歌ってくださってるんですよ!
瑠奈 たしかに! 歌ってたわあ。
 

1部を盛り上げてくれた「絶叫する60度」の2人とミニトークショー。魁-KAI-(左)は腕に「春夏秋冬」と書き込んでくれていた。

ライブ後には対バンした2組で記念撮影。前列左から瑠奈、魁-KAI-(絶叫)、もんてろ(絶叫)、恵園。後列左から由奈、茉奈、舞奈、杏菜。

■大阪公演で感じた「ハチハチ」との共通点とは

――年初のシングル『New Me』がオリコンのデイリーチャートで1位になり、今日はツアーも盛り上がるなど、今年はいい感じで来ているのでは?

瑠奈 でもこれという実感はまだ感じられてないです。ただライブが終わって家に帰ったときに「今日は良かったな」と思える時はあります。
杏菜 ツアーをここまでやってきて、杏菜的には完全燃焼できてますね。
舞奈 夏に向けていいスタートダッシュが切れたと思ってます。いいライブができると、ファンの方の間で「この前のツアーすごかったぞ」っていう噂が広まるんです。だからいろんな人に観ていただくきっかけを今回のツアーで広げていけてますね。
杏菜 ツアータイトルが「パーティーの始まり」で、ライブをやっていても「パーティー、始まったな!」って思えてます!
舞奈 始まってもうてるよな!
恵園 実は、大阪の時のツアーがすごく印象的で・・・・。

――お、どういう感じだったんでしょうか。

恵園 なんか「ハチハチ」(※)の時の感覚に似ていたんです。なんでなんだか分からないんですけど。 ※TIF2015直後の15年8月8日に東京・渋谷クアトロで開催したワンマンライブ。「しゅかしゅんが見つかった」きっかけの一つとなった。
茉奈 ああ、メチャ思いました~!
恵園 メンバーの間でも終わった瞬間に「ハチハチ思い出したな」って言ってたんですよ。
舞奈 あのハチハチからの勢いって覚えてますか? それを感じたんです!
 

普段以上の熱さを感じる今回の東名阪ツアー。由奈の表情がその熱気を物語る。

キラーチューン『Let you fly』のラストを決める姿からは、全身にみなぎるパワーがあふれ出してくるかのようだ。

――たしかにいま、またしゅかしゅんが盛り上がってきた感じを受けます。各フェスの第一弾出演者発表で名前が挙がっていますし、「この指と~まれ!」(フジテレビ)でも最初の収録に参加しました。

恵園 もうホンマに嬉しいです!
杏菜 ホンマにありがたいです~。
茉奈 『New Me』もファンの方に浸透してきたし、「ここで行くぞ!」っていうタイミングでツアーに入れたことが、ハチハチに重なっているのかなって思いますね。

――TIFで見つかって、ハチハチで話題性が爆発して、そこからいろんなイベントに出演し続けた、あの勢いですね。

茉奈 今回のツアーが第一歩で、これから全国ツアーとかワンマンライブとか確実に一歩ずつ進めていきたいで。上を目指して「よし第一歩行くぞ!」という気持ちが、ハチハチと重なったんじゃないかなって思いますね。
舞奈 たしかに一緒や! これまでの歩みに一回フタをして、その壁を蹴ってここからがスタートっていうイメージです。
杏菜 仕切り直しっていう感じかな。
恵園 あらためてスタートだよね。

――この調子でいくと、暑くて熱い夏を乗り切った先には、次なるワンマンライブとかも待っている感じでしょうか。

杏菜 頑張りたいです!
舞奈 (声を潜めて)それを目指してまーす。
茉奈 ホンマに頑張ります。
恵園 その気持ちで2部と、東京のライブも頑張ります!
 

『New Me』の見せどころであるムーンウォークにはファンから「ヒュー!」との声が掛かる。もうみんな、勘所を押さえているのだ。

次ページでは第2部の模様をお伝えします!

■さまざまな「愛」を表現してみせた2部公演

 わずかな休憩を経て、2部のリハーサルに入るメンバーたち。ツアーでは通常、本番前のリハーサルはいわゆる“場当たり&rdquo:など最小限の確認で行われるのが一般的だ。だがしゅかしゅんのリハはまったく様相を異にしていた。それは演劇のゲネプロさながら。曲間を繋ぐ芝居の要素を、じっくりと時間を掛けて確認していったのである。

 しゅかしゅんのライブでは、演劇ライクな演出を目にしたことがあるファンも多いはず。とくにメッセージ性の高いバラードを歌う前にはメンバーにそれぞれの役を与え、情念を込めて演じることが多い。今回の名古屋2部はバラードのメドレーを中心としたセットリストを組み、それはまるで「しゅかしゅんの表現力」を自ら試しているかのようだった。
 

白い傘を使ったおなじみの演出。愛知限定仕様の赤い衣装とのコントラストが美しい。

茉奈と瑠奈が別れを表現する演技に挑戦。瑠奈の真に迫った慟哭に心を打たれた観客も少なくなかったことだろう。

 そして迎えた2部は、傘を使った演出が印象的な『Last Day』で幕を開けた。ここから曲の合間ごとに、メンバー2人ずつが練りこまれた芝居を披露していく。それぞれ違う形で「愛」を表現するもの。そう、ここ愛知という土地を意識した「愛を知る」物語を、彼女たちは紡いでみせたのである。

 とくに3曲目には、ここぞというライブでしか披露しない『ロミオ』を投入。そのメッセージ性の強さゆえ、聴く者の心にずっしりとした印象を残していく同曲を、芝居から作り上げた世界感のなかできっちりを演りきってみせた。
 

『もしも逢えたなら』ではバレエのアラベスクも織り交ぜた振付も。全員が長年のダンス経験を誇るしゅかしゅんならではだ。

舞奈以外の全員が座り込んだポジションから始まる『ロミオ』はさながら、しゅかしゅん流のロックオペラか。

 彼女たちの心がこもった芝居には、会場から鼻をすする音さえ聞こえてくる。だがしっとりだけでは終わらせないのがエンターテイメントというもの。雨上がりの空にかかる鮮やかな虹を表現した『レインボーカラー』で気分を盛り上げると、次のMCではまさかのグッズ紹介だ。

 ここでは大阪人ならではの軽妙さで観客を笑わせ、チェンジオブペースの妙技を披露。最後はあげあげナンバーの『C’:mon』でファンを舞い上がらせ、この日のステージを締めてみせた。
 

『SHINE』では全員でまばゆい太陽を表現。陰から陽、雨から晴れへと展開するしゅかしゅんのステージは観る者に希望を与えてくれる。

最後はメンバーたちがグッズのネクタイを締めたシャツ姿で登場。この衣装でパフォーマンスする『C’mon』は実に貴重だった。

 東名阪ツアーに合わせて用意してきた斬新な構成は、多くのファンから好意的に受け入れられていたようだ。今回のツアーは5月13日の東京・表参道GROUND公演でラストを迎えるが、ここで弾みをつけたしゅかしゅんの勢いは、アイドルの夏を大いに盛り上げてくれるに違いないだろう。

<東名阪ツアー 名古屋2部 セットリスト>
M01 Last Day
M02 もしも逢えたなら
M03 ロミオ
M04 SHINE
M05 レインボーカラー
M06 C’:mon
 

宴会芸を披露する恵園。ではなく、これが彼女流のグッズ紹介だ。随所にこもる大阪流こそ、しゅかしゅんの真骨頂である。

『SHINE』の冒頭で、飛び行く飛行機の音を追いかけるメンバーたち。その先に見えるのはしゅかしゅんの輝かしい未来に違いない。


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