コラム

遠藤舞が歌った4年ぶりの『等・等・等』、卒業ライブに見た明日からの道のり

2014年02月15日 22時30分

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 アイドリング!!!3号の遠藤舞が、2月14日のライブをもってグループを卒業した。5年弱に渡ってリーダーを務めてきた遠藤を送り出したのはメンバーたちとファンの涙、そしてバカリズム升野をはじめとする共演者やスタッフによる温かいサポートだった。

 この日のアイドリング!!!は、遠藤がデザイン画を描いたという新衣裳をまとい、アンコールを含めて全33曲、実に3時間半に及ぶ圧巻のパフォーマンスで、遠藤の門出を祝った。

遠藤がデザイン画を描いたチェック柄の衣裳。ほかに縦ストライプの衣裳を着たメンバーも

 セットリストは遠藤の発案によるもので、100曲に及ぶレパートリーの中から厳選。最新アルバム収録の『Shine on』に始まり、アイドリング!!!の歴史をさかのぼっていくという趣向は、卒業はリセットであり、原点回帰であるという姿勢が込められているかのようだった。

 中盤では遠藤、6号・外岡えりか、9号・横山ルリカの1期生3人が、この3人のために書き下ろされた『voice』をはじめ3曲を熱唱する場面も。これまでナンバリングライブやTIFなどで何度となく1期生トリオのステージは展開されてきたが、この組み合わせを観られるのも今日が最後となり、満員のファンは3人のパフォーマンスを目に焼き付けるべく、熱い視線を送っていた。

6号・外岡、遠藤、9号・横山ルリカの3人で『voice』ほかを熱唱

 そして圧巻は22曲目に歌われた異色のヘビメタナンバーの『等・等・等 等のSong』。3rdアルバムの『SUNRISE』に収録されている同曲は、アルバム発売直後の8thライブ(2010年5月3日)で一度だけ披露されたのちは、封印されていた伝説の曲である。2013年3月の渋はちライブで一度だけ披露されているが、この時は遠藤抜きの形であった。

 そんな『等・等・等 等のSong』のイントロが流れたとき、多くのファンが「バカリズム升野は現われるのか!?」と期待を抱いたはず。なによりこの曲は升野自身が作詞を手掛けており、升野抜きでは成立しがたい曲である。遠藤自身がその曲をセットリストに入れてきた意味が、そこにはあるはずだ。

激しいヘドバンを繰り出すメンバーたち。容赦ない縦ノリにナンセンスな歌詞の取り合わせが絶妙である

 そして果たせるかな、升野はステージに現われた。しかも、背中に「卒業 遠藤舞」の金文字を縫い上げた特攻服を身にまとって。ピエロのフェイスペイントはもちろん、歌舞伎の隈取りを施して歌った8thライブへの自己オマージュだ。

 升野の妖しいダンスと、メンバーが繰り出すヘドバンは、会場を異様な空間へと誘う。そしてブリッジで響き渡る遠藤のファルセット。メンバーとファンの想いが混ぜ合わり、大きな一つの感情が作られたとき、それを引き裂くように遠藤のデスボイスが鳴り響く。グループ随一と評される歌唱力を持つ遠藤ならではの、見事なコントラストが展開されていた。

バカリズム升野と肩を組み、デスボイスで咆哮する遠藤。この光景を観ることはもう二度とないのである

 本編のラストは『ガンバレ乙女(笑)』。遠藤自身が7年半にわたって歌い継いできた、デビュー曲である。この日、遠藤は涙を見せることはなかった。それはこの歌に歌われているように、微笑みがすべてを変えることを、彼女自身がよく知っていたからではなかろうか。

頭の横で手をひらひらさせる振り付けは『ガンバレ乙女(笑)』を特徴づけるムーブのひとつ。遠藤がこれを踊るのも今日が見納めだ

 そして迎えたアンコール。メンバーたちはいつものナンバリングシャツに着替えてきた。遠藤が背中に「3」を背負うのも、このシーンが最後である。その残りわずかな光景を見つめるファンに、アイドルとしての遠藤は『「職業:アイドル。」』のシャウト(いつもは外岡が担当するパート)でこう叫んだ。

「アイドリング!!! 大好きだよーっ!」

『「職業:アイドル。」』で、騎馬に担ぎ上げられる遠藤。まさにリーダーを担ぐという図そのものである

 オーラス前にはバカリズム升野とフジテレビ森本さやかアナウンサーから惜別の言葉を贈られ、ラストの『さよなら・またね・だいすき』では升野から手渡された特攻服を着て歌う遠藤。その特攻服には、ファンとメンバー、スタッフらの偽りのない想いが縫い込まれていた。

舞と過ごした思い出を
一生忘れず守り抜く

舞の最後の花道を
今宵、飾ってみましょう

卒業ライブを特攻服で終えるアイドルもそうそういないことだろう

 ライブ後にはアイドリング!!! 3号として最後の記者会見に臨んだ遠藤。質疑応答の詳細は以下に記すが、なかでも「たくさんいろんな人に会いに行きたいなと思います」という言葉が印象的だった。ソロアーティストとして自分で道を切り拓いていく今後、アイドリング!!!のときとはまた違ったさまざまな人たちが、彼女の道を照らしてくれるに違いない。

遠藤 このたびアイドリング!!!を卒業させていただきました、遠藤舞です。みなさん、ご来場有難うございます。いまライブを終えて卒業したという実感はあまりないんですが、多分明日から、普通に今まで通ってきたリハーサルや定期ライブとか収録とか、行かなくなるんだなあと思うと、きっと実感してくると思います。

遠藤 今日あらためて卒業ライブをさせていただきまして、メンバーもスタッフのみなさんも、ファンのみなさんも、たくさんの方にお世話になって、みなさんと出会えて知り合えて本当に良かったなと思いました。アイドリング!!!で7年半、たくさんのことを学んできたので、これからもそれを活かして、明日から日々精進してまいりたいと思います。

ナンバリングシャツ姿で単独の記者会見を受ける姿は記憶にない。遠藤の表情にもわずかに緊張の色が見える

――卒業発表では泣きましたが、今日の卒業ライブでは泣きませんでした。

遠藤 そうなんですよね(苦笑)。発表の時のほうがなぜか涙が出たんですけど、今日は最後に笑顔で卒業しようかなという気分のほうが大きかったので、泣きませんでした。段階を踏んで卒業をお祝いしていただくことができたので、幸せだと思います。

――卒業後、新しい夢は何ですか。

遠藤 セカンドシングルをステージで発表させていただき、そちらが上手くいくといいなと思います。

――明日からもうっかり「アイドリング!!! 3号です」と言ってしまうのでは。

遠藤 言ってしまいそうですよね(笑)。メンバーからも「ちゃっかりリハーサル来そうですね」と言われているんですけど、行っちゃうかもしれない、

――卒業を機にブログを始める可能性は。

遠藤 ツイッターでいっぱいいっぱいなので。すごく書きたいことができたら始めるかもしれません。

――アイドリング!!!にいるあいだガマンをしてきて、卒業したら解禁することは。

遠藤 とくに何もガマンしてこなかった気がするなあ(苦笑)。そのままの自分で、アイドリング!!!に入ってからも途中からは「別にアイドルらしくなくていいや」って思って何もガマンしてこなかったので、明日からも普段通り変わらず頑張ります。

――アイドリング!!!の収録やライブに充てていた時間をこれから何に使うか。

遠藤 何に使いましょうか? 難しいですね。(少し考えて)たくさんいろんな人に会いに行きたいなと思います。出会いが自分の考え方も変えてくれると思うので、そんな人に出会いたいです。

遠藤舞 2ndシングル『MUJINA』(Type-C) CD only盤

 2014年2月14日、遠藤舞、卒業。いまやソロアーティストとなった遠藤は、5月14日に2ndソロシングル『MUJINA』をリリース。早くもそのジャケット写真が公開されている。すでに彼女は「音楽を生業にする」という次のステップに踏み出した。

 奇しくもこの日の東京は大雪。まさに遠藤の門出を祝う「Snow celebration」となった。特別な今日という日を、ファンもメンバーも、そして遠藤自身も忘れることはないだろう。

(文・カゲ)

【セットリスト】
M01 Shine On
M02 シャウト!!!
M03 I'd Ring
M04 サマーライオン
M05 さくらサンキュー
M06 One Up!!!
M07 MAMORE!!!
M08 Don't think.Feel!!!
M09 eve
M10 粉雪が舞う街並で
M11 やらかいはぁと
M12 GO EAST!!! GO WEST!!!
M13 プールサイド大作戦
M14 目には青葉 山ホトトギス 初恋
M15 Iのスタンダード2014
M16 3度目の記念日
M17 U
M18 犯人はあなたです♡
M19 voice
M20 Only One
M21 friend
M22 等・等・等 等のSong
M23 S.O.W センスオブワンダー
M24 無条件☆幸福
M25 baby blue
M26 告白
M27 Snow celebration
M28 モテ期のうた
M29 百花繚乱アイドリング!!!
M30 Like a shooting star
M31 ガンバレ乙女(笑)

EN01 「職業:アイドル。」
EN02 さよなら・またね・だいすき
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タグ: アイドリング!!! 

          

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