コラム

乃木坂らしさってどこ?―AKB48公式ライバル・乃木坂46の魅力とは

2014年04月08日 06時00分

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 4月2日に発売された8thシングル『気づいたら片想い』のヒットから、乃木坂46の魅力に”気づいた”人が増えていることがうかがえる。結成当初こそ「プロデューサーが同じなのに公式ライバル?」という目で見ていた人たちも、いつしか乃木坂46が創り上げた世界に夢中になっていたようだ。生駒里奈のAKB48兼任をめぐる一連の狂騒を見ても、いまや公式ライバルとして機能していることは明白だろう。 

 では、乃木坂46の魅力とは何か? 「胸がキュンとする私立女子高のような世界観」、「衣装やCDジャケット、特典映像といったビジュアルまわりのセンスが秀逸」、「『乃木坂ってどこ?』でバナナマンに鍛えられたバラエティ力の強さ」など、”乃木坂46らしさ”はいくつもあるのだが、今回は2点に絞って話を進めたい。  
 


 1 乃木坂は「開国」済みだった 

 生駒里奈のチームB兼任と、SKE48(チームE)の松井玲奈が乃木坂46を兼任する、いわゆる交換留学を「開国」と表現されることがあるようだ。しかし、乃木坂はすでに開国済みだった。

 2012年は6月に「ゆび祭り」、10月に「LiVE GiRLPOP Vol.1」で他のアイドルグループと対バンを経験。2013年に入ると、7月に「海フェスタおがOGA歌謡祭」でアイドリング!!!やJuice=Juiceと共演。さらに9月に「氣志團万博」、10月にはVAMPS主催の「HALLOWEEN PARTY 2013」に出演し、有名アーティストとの対バンも果たした。今年4月15日には「極東ロックンロール・ハイスクール 第弍章」で氣志團とのツーマンも控えている。これは2011年にももクロも体験したタイマン対バンGIGシリーズだ。

 とくに、『ゆび祭り』と『氣志團万博』で”不甲斐なさ”を実感したことは、彼女たちを大きく成長させた。劇場がないことを逆手にとったフットワークの軽さで対バンライブに出演し、そこで受けた刺激をグループの養分にしているのだ。

 メディアでも他グループと積極的に交流している。ニコ生で他グループのアイドルを招く番組を毎月配信し、雑誌『TopYell』ではPASSPO☆や東京女子流と対談している。いずれも中田花奈が絡んでおり、加入前からアイドルヲタクだった彼女が乃木坂46で大きな存在感を示している。また、『an an』のアイドル特集や『日経エンタテインメント!』増刊など48グループが出演しない媒体にも乃木坂46の記事が掲載されていることも見逃してはいけない。

 48Gのレギュレーションを守りつつ、自由な動きができることは乃木坂46の魅力のひとつと言えるのではないだろうか。


2 乃木坂には刹那も未来もある

 アイドルは、その一瞬の輝きを楽しむという刹那的な見方をすることができるジャンル。自分の青春を犠牲にしてステージに立つ姿に、ファンは胸を焦がすのだ。乃木坂46も他のアイドルグループと同様に刹那的な見方ができる。しかし、それと並行して将来を見据えた活動をしている点が魅力なのだ。

 将来の目標を女優にしているアイドルは多い。アイドルという職業を10年、20年続けていくことは極めて難しいわけで、表現者であり続けたいと思うなら、女優という未来を設定することは自然だろう。しかし、演技のトレーニングをせずにアイドルを卒業してしまったら、結局はイチからのスタートになってしまう。

 乃木坂46は演技面の強化を怠っていない。乃木坂46の本場所であるオリジナルミュージカル公演「16人のプリンシパル」では、内外で評価の高い人物を起用している。昨年は毛皮族の江本純子が演出を、ナイロン100℃の喜安浩平が脚本を担当した。レッスンでも本番でも江本からの厳しい指導を受け、メンバーたちは表現力を磨いた。今年はブラボーカンパニーの福田雄一が脚本・演出を務めることが決まっている。

『気づいたら片想い』に収録された特典映像のエチュードでは、ヨーロッパ企画の上田誠やペンギンプルペイルパイルズの倉持裕を起用。同じく特典映像の「乃木坂の4人」はドキュメンタリーかと思いきや、後半でヒリヒリするようなエチュードが展開される。監督の熊坂出が若手演技派女優の梶原ひかり(『冷たい熱帯魚』などに出演)を投入したことで生まれた化学反応は、乃木坂46ファン以外も一見の価値があると断言する。

 また、メンバーによっては学業優先も許されている。4thシングルまで選抜に入っていた市來玲奈は学業に力を入れるようになり、昨年2月の幕張メッセや10月の代々木第一体育館のライブではアンコール時のみ制服姿で参加。今年、難関大学に見事合格した。生田絵梨花も福神常連メンバーでありながら、学業を優先して冠番組『乃木坂って、どこ?』の収録を欠席することもある。

 極めつけは4月1日にOLとの兼任が発表された新内眞衣。正規メンバーに昇格したばかりの彼女が、アイドルの新しい活動スタイルを切り拓くのかもしれない。


 以上のように、乃木坂46はアイドルの新しい可能性を提示しているグループなのだ。今回は乃木坂46全体について書いたが、次回からは個々のメンバーにスポットを当てていきたい。(大貫真之介)
 
大貫真之介 アイドルとお笑いを中心に執筆。乃木坂46写真集『乃木坂派』、『EX大衆』、『TopYell』、『日経エンタテインメント』、『an an』アイドル特集号、などで乃木坂46のインタビュー記事を担当した。


■乃木坂46公式サイト
http://www.nogizaka46.com/
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タグ: 乃木坂46