コラム

乃木坂46の本場所『16人のプリンシパルtrois』開幕 誰がコーラスラインを超えるのか

2014年05月27日 07時00分

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 今年も狂った季節がやってきた。5月30日~6月15日にかけて開催される『16人のプリンシパルtrois』は、48Gでいえば選抜総選挙に、新日本プロレスでいえばG1クライマックスにあたる乃木坂46の本場所だ。
 
 これまで2回行われた、「1幕で観客が審査して投票するオーディションを行い、その結果で2幕の配役を決める。毎公演、出演者も役もその場で決まる……しかもその決定権は審査員でもある観客にあるという、演劇の常識では考えられない舞台」に再び挑む少女たち。その過酷さに、人目もはばからず泣いてしまうメンバーも少なくなかった。
 
 しかし、このイベントを乗り越えたことで生まれた表現力や精神力、そして仲間たちとの絆は、乃木坂46だけが手に入れられる宝物だ。今年はどんなドラマが生まれるのだろうか。メンバーを軸に考察してみた。

 


 過去2回の実績からプリンシパルの女王といえば生田絵梨花であることは、異論を挟む余地はないだろう。2012年には9公演中6回で1位を獲得し、昨年はすべての公演で第2幕に出演した唯一のメンバーとなった。
 
 祖父がビクターの洋楽部門に勤務し、親戚には音楽プロデューサーの故・佐久間正英さんがいるという、音楽に囲まれた環境で生まれ、声楽を学んできた生田は舞台映えする声と表現力を持っているだけでなく、独特のユーモアセンスを持っている完璧超人。第二幕ではキャラクターが憑依したような演技で観る者を魅了した。
 
 天才肌の生田ではあるが人一倍努力もしている。レッスンを見学させてもらった際は、休憩中も熱心に反復練習している姿があった。昨年の公演で一瞬映し出された生田の台本にはビッシリと書き込みがあった。本人は「台本には、自分だけじゃなくて他のメンバーが受けているダメ出しも書き込んで、動きは図にしたり、何度も確認していました」と語っている。努力を欠かさない天才は、今年も隙のない演技を見せるだろう。
 
 昨年、生田に肉薄する活躍を見せていたのが橋本奈々未だ。演技未経験で乃木坂46に入り、明治チョコのCMでは「そっちこそ」というセリフが棒演技だと茶化されてきたが、今では繊細な表現力を身につけた。最近、本人が演技に悩んでいることを公言しているのが心配ではあるが、本番では観ている側がゾクゾクするような芝居を見せてくれるはずだ。
 
 昨年の公演で10役すべてを演じたのが西野七瀬と若月佑美。2人の闘志にも期待したいが、それ以上に注目したいのが、8役を得ていた井上小百合。今年4~5月の舞台経験を経てどう変わったのか、プロの現場で学んだことを出し切ってほしい。
 
 今回はコメディ劇ということで期待値が上がるのが、バラエティに強い高山一実、能條愛未、永島聖羅の3人。高山は1回目の『プリンシパル』で爆笑をさらっただけでなく、人としての器の大きさを見せつけて常に上位を争う存在となった。3歳の頃に舞台を観て女優に目覚めた能條は、その高い演技力と独特の間で『プリンシパル』でコメディエンヌとしての才能を発揮している。永島は『deux』(2013)では前半好調だったものの、後半は体調を崩して本領を発揮できなかった雪辱を果たしたいところ。最近は『NOGIBINGO!2』でスポットを浴びた永島のハングリー精神があれば可能なはずだ。
 
 日替わりメンバーになるとはいえ、活躍の場が少ない2期研究生にとっては『プリンシパル』がアピールするチャンス。アイドル性が高い寺田蘭世はアンダーライブを観て、ブログで「歌いたい 踊りたい」と悔しさを露わにし、『プリンシパル』への意気込みを「壁をぶち破れ」と画像付きで投稿した。乃木ヲタだった伊藤かりんは『プリンシパル』攻略法を知っていそうだし、ブログを見る限りは佐々木琴子の不思議なセンスにも期待できそう。超新星は現れるのか。
 
 SKE48との兼任で参加している松井玲奈参戦も刺激的だ。参加するのは4公演のみだが、その少ない公演のために稽古に励んでいる健気さには胸を打たれてしまう。CDの特典映像『乃木坂の4人』のエチュードで演技に開眼した松村沙友理も気になるし、昨年は不参加だった星野みなみがいよいよ本気を出す気配も感じるし……そう、あくまでここに書いたことは『プリンシパル』における楽しみのひと握りでしかないのだ。
 
 人によって何通りもの観方ができるのが『プリンシパル』の魅力のひとつ。全体を俯瞰で観るもよし、オーディションのヒリヒリ感に心を震わせるもよし、推しメンに注視するもよし。同じようにメンバーたちが目指す方向だって何通りもある。全役制覇を狙う者、ひとつの役にこだわる者、ひたすら演技のスキルアップを考える者etc……。それぞれのメンバーが何かをつかみ、乃木坂46全体にさらなる厚みが増すことを願ってやまない。
 
大貫真之介 アイドルとお笑いを中心に執筆。乃木坂46写真集『乃木坂派』、『EX大衆』、『TopYell』、『日経エンタテインメント』、『an an』アイドル特集号、などで乃木坂46のインタビュー記事を担当した。  
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タグ: 乃木坂46 

          

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