コラム

ソロアイドル復興の兆し。だから今こそみんなで小桃音まいを聴こう!観よう!そして大移動!

2014年06月06日 07時00分

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 もうゲンナリするほど言われ続けている〝グループアイドル高ソロアイドル低〟時代にグッバイを言うべきタイミングが来たようだ。

 武藤彩未のデビュー、小池美由のブレイクにより吉川友寺嶋由芙クルミクロニクルいずこねこ……名前を挙げてもキリがないほどニョッキと突き出たソロアイドルたちの芽はようやく大輪の花が咲く兆しを見せている。今やグループアイドルメンバーがソロ活動を展開することも以前より多くなり、本格的な王道路線にようやく注目が集まってきた模様だ。

 そんな空気が漂うならばこそ、ライブアイドルの女王・小桃音まい(通称:まいにゃ)を「絶対に!」忘れてはいけない。

 147cmという小柄な身体にネコ目が特徴的な愛らしいルックスを持った彼女のスタートは2009年。デビュー以来「ライブがレッスンみたいなもの」と語る彼女は、毎週のように東京はおろか北は北海道、南は九州と全国各地に現れては、精力的に活動を繰り広げている。そのライブ数は年間300本(!?)とも言われている。

 ライブ回数に裏打ちされるように彼女のライブは全アイドルがお手本にすべき完成度を誇っている。どんな時でも客席の一人一人の目をしっかりと見て笑顔を振りまき、小柄な身体から繰り出すダンスは体に似合わずダイナミック。超絶的な天然ぶりと残念ぶりが炸裂するMCも含め、毎回どんな場所でもこの全てをブレることなく完璧にこなすという超人ぶり。その姿は尊敬と畏怖の念を込めて「小桃音プロ」と呼ばれるほど。

 中でも〝民族大移動系〟と自称すように、ライブでは会場の端から端を彼女が先導するようにファンたちと練り歩くパフォーマンスは、初見の人ですら笑顔で巻き込まれていくという素晴らしさ。昨年のTIF、野外ステージで1万人近い人間を大移動させたという事実が彼女の求心力のすごさを物語っている。楽曲に関しても、エレクトロポップから80’sディスコ、王道感あふれるアイドルポップなど幅広く網羅しており、彼女の少し鼻にかかったような高音が乗ることで甘酸っぱさを運んでくる。正直聴いているだけで惚れ惚れしてしまう。元々重度のアイドルオタであり、好きが高じすぎたが故にアイドル本人になるというガチぶりがもの語るように、アイドルファンだからこそファンのツボを押さえる術はお手の物なのだ。

 一方で長きに渡るインディーズ時代はしのぎを削り合ってきた、ももいろクローバーZ、BiS、PASSPO☆、でんぱ組.incらが次々にメジャーへと上り詰める姿をただ眺めるという辛酸も舐めてきた。2013年晴れて念願のメジャーデビューを果たし、勢いよく飛び出したものの……動員が横ばいだったりと夢の舞台でも足踏みの日々が続いている。

 しかし! 着実に培われてきたテクニックと全力感、それに「完璧なカワイイ生物」((c)掟ポルシェ)ぶりは、アイドルとしてど真ん中直球。だからこそ、大勢の人に愛される要因を揃えている彼女がブレイクできなければ、それはアイドル界にとって大きな損失である。彼女が敬愛してやまない松浦亜弥が王道アイドル性と多大なるポテンシャルで全国を席巻したように、小桃音まいも王道のDNAを確実に受け継いでいる分、期待したいところである。というより期待させてくれ!

 
田口 俊輔:アイドル、映画、音楽などについて書きたい系フリーライター/編集。アイドル関係では『Top Yell』『日経エンタテインメント』『アイドル最前線』『アイドル楽曲ディスクガイド』などで執筆。現場は大切にしたい派  
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