ライブレポ

後藤郁卒業ライブレポ前編、「アイドリング!!!という第一章を完結します」

2014年06月13日 07時30分

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 6月7日にZEPPダイバーシティ東京で開催された、アイドリング!!!25号・後藤郁の卒業ライブ「25号かおるんの新しい旅立ち たくさんの想い出ごっちゃんですング!!!」。この密着レポートを前後編でお届けする。まずはライブ本編のレポートである。

 この日は卒業ライブ本公演の前に、「公開リハーサル」を開催。本公演に参加できないファンにとっては、こちらが後藤との別れの場となる。公開リハーサルゆえ、セットリストは本公演のそれを短縮したものとなったが、ライブの最後にサプライズがあった。それは、4期生による『ドーナツの向こう側 -4期ver.-』の初披露だ。

 最新シングル『キュピ♥』のカップリング曲である『ドーナツの向こう側』は、全員バージョンのほかに各期生別に6バージョンが制作されており、この4期verは初回盤Bに収録。本公演でも全員バージョンが披露されたが、4期生が同曲を歌うのは今回が初めて。そして、この4人で歌うのは今回がまさに最後となる。サプライズでの披露から、エンディングの組み体操まで、後藤の最後を見届けに来たファンには素敵なプレゼントとなった。
 

『ドーナツの向こう側 -4期ver.-』

 そして本公演。開演前に諸注意がアナウンスされると、その冒頭で「郁でーっす!」のおなじみの絶叫が。今日の影ナレ担当は後藤郁その人であった。開演前から沸きに沸く客席。ライブ開始前から早くも会場はヒートアップしてきた。

 ライブの幕開けは『目には青葉 山ホトトギス 初恋』。2010年6月9日リリースの同曲は、後藤ら4期生加入後の初シングルである。4期生が加入した直後に開催された8thライブ「この気持ちは そうだ あれだ 恋なんでしょうング!!!」では、8曲目までを先輩メンバーのみが歌唱し、9曲目にて4期生がライブステージデビュー。そこで歌ったのが、この『目には青葉 山ホトトギス 初恋』であった。

 4期生にとって3枚目のシングルとなる『eve』では、かつて先輩の11号・森田涼花が担当していた冒頭の「アイラブユー」を、後藤が担当。その森田が2012年5月30日に卒業ライブを行なったのは、同じZEPPダイバーシティ東京であった。歴史は繰り返すのか、この梅雨時は別れの季節なのだろうか。

 3曲目からは打って変わって、最近の曲を披露。『Shine On』、『キュピ♥』、そして公開リハーサルで4期verを披露した『ドーナツの向こう側』だ。4期生在籍時で最初の曲から直近の曲まで、まるで駆け足で後藤の歴史をなぞってみせたかのような序盤であった。
 

『目には青葉 山ホトトギス 初恋』

 ここでメンバーが舞台袖にハけ、スクリーンには後藤の懐かしの映像が映し出される。4期生オーディション、番組での4期生お披露目、靴の匂いナンバーワン決定戦、神秘の時間、そして"みなすべり"まで、いずれもファンの脳裏に刻み込まれた記憶が映像で蘇る。それは同時に、その記憶がこの日を最後にすべて過去の思い出になってしまうということでもあった。

 そんな記憶の新しい部分、すなわちアイドリングNEOがステージに登場する。ここから、この1年弱にわたって後藤が精魂を注いできたアイドリングNEOの持ち曲すべてが披露された。
 

アイドリングNEO

 もっとも若く、後藤を先輩と慕うNEO期のメンバーたち。多感な年ごろの多い彼女たちゆえ、パフォーマンスの最中からもはや、こみあげる感情を隠し切れない。途中のMCでは後藤と同い年の最年長ながら涙もろい32号・関谷真由が顔をクシャクシャにして涙をこらえる。それを見た最年少の33号・橋本瑠果がもらい泣きをはじめ、次いで34号・佐藤麗奈も涙で顔を泣き腫らす。

 それでもNEO期のメンバーたちは、敬愛する先輩の最後を飾るため、渾身のパフォーマンスを繰り広げる。いつもフレッシュ感あふれるアイドリングNEOのステージに、この日はいつも以上の気迫と感情がこもっていた。この姿は後藤が先輩として、NEO期という後輩を育て上げた証となったはずだ。
 

アイドリングNEO

 アイドリングNEOの曲が終わり、着替え終わった後藤は、15号・朝日奈央と一緒に学ラン姿で現われた。Team学ラン、最後の復活である。そうくれば曲はもちろん、『いち恋』だ。加入した1年目、まだあまり個性が発揮できていない時期の後藤にとって、躍進のキッカケとなったユニット曲である。パートナーの朝日は脚の負傷により激しいパフォーマンスを避けているが、この曲に限っては後藤を送り出すためにも、歌い踊らないわけにはいかないのであろう。

 その『いち恋』と言えば、後藤のドヤ顔がたっぷり観られるのが魅力の一つ。だがそんなドヤ顔を披露する前に、後藤が後ろを向いてメンバーに囲まれる。なんと学ランのボタンをひとつ掛け違えていたのだ。そんな場面にも後藤らしさを感じたファンも多かったことだろう。

 12号・河村唯と26号・尾島知佳が巨大な「!!!」フラッグを振りかざすなか、他のメンバーも腕組みなど応援団をイメージしたポーズでTeam学ランをサポート。ラストは後藤の肩を抱く朝日の笑顔、そして後藤の渾身のドヤ顔で締めてみせた。
 

Team学ラン『いち恋』

 ここで巨大フラッグを使って後藤を姿を隠し、まさかの早着替え。フラッグのあいだから現われたのは、23号・伊藤祐奈と後藤の「ゆうかお」コンビだった。アイドリング!!!随一の盟友コンビが、デュエットで『Forever Remember』を歌い上げる。

 別離をテーマにしたこの歌が、この日ばかりは伊藤と後藤の別れを描き出した内容に聴こえてくる。しかし、たとえ伊藤が「行かないで」と伝えたとしても、後藤はグループを去っていったことだろう。それゆえこの2人だけでデュエットすることは、別れの儀式として必要だったのかもしれない。2人は歌いながら見つめ合い、いつしかお互いをしっかりと抱きしめていた。

 ここに22号・倉田瑠夏と尾島が加わり、4期生ユニットによる『GO EAST!!! GO WEST!!!』。そう、今日はパーティータイム。いまは笑顔だけを持ち寄って、全員集合だ。いつしかほかのメンバーも加わり、全員で「GO EAST!!! GO WEST!!!」と指を突き出す。最後は後藤を中心に顔を寄せ合うようにメンバーが集まり、「だってウチら友達だから」と絶叫。アイドリング!!!というグループの結束を見せつけてくれた。
 

『Forever Remember』

 そして結束ときたら、アイドリング!!!にとってのアンセムとも言える『Iのスタンダード2014』。後藤の「千載一遇」を聴くのも今日が最後だが、卒業後も彼女はあらゆるチャンスを千載一遇に変えていけるパワーを、アイドリング!!!からもらったに違いない。しかも、療養中のため唯一このライブを欠席した14号・酒井瞳までもがVTR出演を果たす。ファンからの歓声はきっと、後藤も同じ気持ちだったことだろう。

 ここからは5曲一気にメドレー。その前に、卒業ライブならではの(?)後藤イジりタイムが始まる。一発芸を強要された後藤だが、「今日は絶対受けるよ」の言葉に後押しされ、「スベって転んで大分県!」など渾身の持ちネタを披露。いつもよりダイナミックな動きに観客からは「ほぉー」という感嘆の声が挙がり、スベらずとも受けもしないという、後藤ならではの空気感で場を支配してみせた。
 

「スベって転んで大分県!」

 メドレー一発目の『戦闘恋愛少女ロボB型の憂鬱』には盟友の伊藤がA型ながら参加し、後藤曰く「ほぼB型」として披露。なお、後藤が曲名を「恋愛戦闘少女……」と言い間違え、すかさず13号・長野せりなに直されていたのは見なかったことにしておこう。

 続く『無条件☆幸福』では、ふだんは20号・大川藍が担当するホイッスルを、今日ばかりは後藤が思いっきりブロー。「ピー、ピー、ピーピー、ピピピピ!」とご機嫌なフレーズを吹けば、まさにファンは無条件な幸福に包まれた。さらに『MAMORE!!!』、『One Up!!!』とアイドリング!!!の力強さを象徴する曲が続き、メドレーの最後を締めたのは「アイドリング!!!に生まれ」の歌詞が印象的な『SISTER』。この曲をセットリストに入れたのは、後藤のこだわりだったという。
 

『One Up!!!』

 ここで各メンバーが後藤の思い出を語るトークタイムに突入すると、河村と朝日がなにやらゴニョゴニョ。なんと、「あたりまえ体操」をもじった「あたりまえかおるん」を披露だ。

あたりまえかおるん♪

見た目はとってもキレイなのに、足くさい!(会場爆笑)
あたりまえかおるん♪

スベって転んで大分県、受けない!(会場爆笑)
あたりまえかおるん♪

かおるんこんなふうに見えて、努力家!(会場歓声)
あたりまえかおるん♪

かおるんかおるんかおるんかおるん、大好き!(会場大拍手)
あたりまえかおるん♪
 

「あたりまえかおるん」

 本編は残り2曲。『やらかいはぁと』は、M13でも披露された『いち恋』をカップリング曲とする15thシングルで、後藤がグループのなかでのポジションを確立しだしたころの曲だ。そして本編ラストの『サマーライオン』は、フロントメンバーとして歌にアクションに大活躍の1曲。後藤がライオンポーズで「アォ!」と雄たけびを挙げるのを聴くのも、これが最後となる。

 本編が終わり、いったん舞台袖に引っこむメンバーたち。主のいなくなったステージに、ファンは一斉に「かーおーるん! かーおーるん!」のコールを送る。いったい何分続いただろうか。ファンの気持ちがひとつになって昇華される。

 いつものライブならメンバー全員がナンバリングシャツに着替えて登場するところだが、この日ばかりは後藤がひとりでステージのセンターに歩みを進めた。ライブ全般を通じてほとんど涙を見せない後藤。ファンへのメッセージも手紙に記して読み上げることで、揺れる心を落ち着かせようとする。

「正直、これからひとりで羽ばたくのは楽しみでもあり、とても怖いです。どちらかがあふれようとしたら、もう一つの感情もあふれ出てしまって、なかなか心が複雑に動いて、落ち着きません」

 偽らざる後藤の気持ち。今この瞬間、その感情が怖さに振れてしまわないように、後藤はゆっくりと、自ら選んできた言葉を読み上げる。

「今までたくさんの方にいただいた声を大切にしながら、アイドリング!!!という第一章を完結します」

 そう、あとわずかな時点で、後藤郁の第一章は終わりを告げる。だからこそファンは、その刹那を目に焼き付けようと、ステージを見つめていた。「アンコールまでついてきてください。感謝の気持ちを込めて歌います」
 

後藤がファンへのメッセージを読み上げる

 アンコールにもってきたのは、春の別れを歌った『さくらサンキュー』、そしてアイドルとして生きていく決意を歌った『「職業:アイドル。」』だ。このあとのMCで、この日もうひとつのサプライズがやってきた。舞台袖から、番組MCのバカリズム升野が、フジテレビ森本アナを伴って現われたのである。2人の手には大きな花束。後藤に最後の別れを告げに来たのであろうか。

 花束を持って後藤に近づく升野。感動の花束贈呈かと思いきや、いきなり持っていた花束で後藤を殴打! まさに昭和プロレスで何度も繰り広げられた光景が、まさかの女性アイドル相手に再現されたのだ。でも後藤は、そしてファンは知っている。これが升野流の別れの辞だということを。愛があるからこそできる襲撃シーンに、ファンは喝采を叫ばずにはいられなかった。

 そして、本当に本当のラストとして、しばしの別れに再会の可能性を忍ばせた『さよなら・またね・だいすき』を歌うメンバーたち。今後もまた、後藤郁という才能に出会う機会があるんだろうか。そんな希望をも感じさせるエンディングとなった。

 これでライブとしてのステージは終了。もう歌うべき曲は残っていない。残すは、アイドリング!!!に残るメンバーが後藤に惜別の辞を送る儀式である。そこで贈られた言葉は稿をあらためてご紹介したい。

<セットリスト>

M01 目には青葉 山ホトトギス 初恋
M02 eve
M03 Shine On
M04 キュピ♥
M05 ドーナツの向こう側
M06 mero mero
M07 寝乙女X'mas night
M08 プリ♡きゅんサバイバル
M09 突進少女
M10 胸アツ生誕祭!!!
M11 Someday, Somewhere
M12 Sakuraホライズン
M13 いち恋
M14 Forever Remember
M15 GO EAST!!! GO WEST!!!
M16 Iのスタンダード2014
M17 メドレー
 戦闘恋愛少女ロボB型の憂鬱
 無条件☆幸福
 MAMORE!!!
 One Up!!!
 SISTER
M18 やらかいはぁと
M19 サマーライオン

EN01 さくらサンキュー
EN02 「職業:アイドル。」
EN03 さよなら・またね・だいすき
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