コラム

Dorothy Little Happyがスゴイことになってきた!

2014年06月27日 08時00分

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  ハロプロの復権で勢いづく実力派。音楽番組が少なくなってきた現状、アイドルとのふれあいがライブを主戦場とする中、やはり人の心を掴むのは現場での魅せ方によるのは大きい。仙台発の5人組ガールズグループDorothy Little Happyは圧倒的なステージングで数多くの語り草を残し、近々では昨年のTIF2013野外ステージで魅せた『デモサヨナラ』は、もはや伝説的とすら呼ばれたほど、ライブにおいて圧倒的な存在感を見せている。男性ファンはもちろんのこと、会場では彼女たちのマネをした女性も多く見受けられるほど幅広く愛されている。

震災の影響でリリースが延期した『デモサヨナラ』は、TIF2011で披露され多くの観客の心を掴んだ(写真は当時のもの)

 パフォーマンス力を示すグループといえど多種多様で、モーニング娘。'14は複雑なフォーメーション、℃-uteが統制と力強さ、アップアップガールズ(仮)が限界を突破する姿、Cheeky Paradeが幼年的ハチャメチャさ、フェアリーズが洗練された動きと売りが各グループ違う。Dorothy最大の魅力は一言でいうなら〝世界観の視覚化〟。詞の世界を全身で伝えようというスタイルをとっている彼女たちは1つの楽曲を硬軟織り交ぜたダンスと歌で完全に構築し、その物語に引き込んでいく。例えば彼女たちの楽曲の1つ『部屋とパジャマと私』という曲(あんまりライブでやらないのが残念……)は、全編歌詞に寄り添ったダンスで、まるで少女の日常を切り取ったショートムービーを見ているかのような印象すら与える。だからミッドな楽曲ですら、空気をダレさせない。極端な話、ダンスを見ているだけで楽しいグループである。

 ダンスと共に双璧を成す歌。多くの曲でメインボーカルを務める絶対的歌姫である高橋麻里は甘酸っぱさと柔らかさいを秘めた声で、ティーン特有の儚さ、そして陽へと突き抜けるという相反した心を丹念に表現する。彼女だけでなく、芯と力強さがある声の持ち主の白戸佳奈、可憐な見た目通りの真っ直ぐさが魅力の富永美杜、ハキハキした声がファニーな秋元瑠海、少しボーイッシュな低音が映える早坂香美と5人のキャラ立ちした歌もそれぞれに楽曲に彩りを与えていくのがひたすら素晴らしい!

 先日行われた横浜での定期ライブ(筆者が観た夜の部)では『デモサヨナラ』や『nerve』といった定番曲を一切排除しながらも完全に会場をロックする姿にひたすら感動。余計な小細工は一切ない、身体一つで魅せきる姿勢にはどんな言葉で形容しても安っぽくなってしまう。シンプルが故に奥深い、禅の世界のよう。

 ライブを彩る楽曲群も王道感溢れる立ち位置ゆえ、端正でみずみずしい音を中心に歌っているが、近年は幅の広がりも見せている。今年発売された2ndアルバム『STARTING OVER』は今までにないぐらいの翳りを感じさせるメロウな曲が満載で、特に『ストーリー』はまるでスタイル・カウンシルを髣髴とさせるブルーアイドソウルな良曲だった。7月に発売されるニューシングル『sky traveler』もその流れを汲んだ爽やかさ溢れる楽曲で、何よりカップリングの『恋の花火』はホーンセクションも煌びやかな山下達郎、クレイジーケンバンドらを髣髴とさせる西海岸AORだったり、名盤! と呼んで差支えないレベルにある。もはやスキなし!

 9月には自身最大のキャパを誇る会場でのワンマンも控えており、この勢いもしかしたら止められそうにないかも、Dorothy!!!

 もし未だに彼女たちを「オレモー!」の人たちでしょ? という印象のみの人なら、ぜひともライブへ足を運んでもらいたい(できればCDも……)。確実にここには駆け引きなし、ど真ん中の王道ぶりで魅せる超プレイヤーたちの姿が見られるはずだから。


 
田口 俊輔:アイドル、映画、音楽などについて書きたい系フリーライター/編集。アイドル関係では『Top Yell』『日経エンタテインメント』『アイドル最前線』『アイドル楽曲ディスクsp;
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