ライブレポ

【現地レポ】「日本から連れてきてくれてありがとう」 BABYMETALが大英帝国で単独公演!

2014年07月09日 21時30分

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BABYMETALライヴリポート@ロンドン・The Forum 2014年7月7日

 BABYMETALのワールドツアーも折り返し地点、前半ヨーロッパツアーの最後の地・ロンドンまでやってきた。舞台となったのはThe Forumというライヴハウス。ロンドンではメジャーなライヴハウスの一つで、メタル系では今月EXTREMEやALL THAT REMAINSも公演を行なう。当初公演が予定されていたライヴハウスよりはかなりキャパが広く、立ち見の1階席の三方を取り囲むように座席のある2階席があり、1階にはグッズショップやバーが設置されている。

 7月7日のロンドンは朝からやや気温が低く、東京の気候を考えると寒いと思える天気だ。日本のライブハウスとは違いチケットに整理番号などはなく、並んだ順番の入場となるため、朝から熱心なファンが並び始めていた。日本から応援に来たファンだけでなく、地元イギリスやヨーロッパ各地から集まってきた外国人も多い。長時間並んだため、ここで新しい仲間を見つけ、暫し歓談を楽しむ姿も多く観られた。小雨が降ったり止んだりであったが、会場近辺は早くも熱気が充満していた。

 18時半過ぎに開場。徐々に詰めかける観客を見ていると、日本人2割、外国人8割といったところか……。BABYMETALのライヴは通常男性客が多いが、ここは女性の割合が普段の2倍ほどに感じられる。オシャレなもの、カワイイに敏感なロンドンっ娘の気質が表われているのでは、と感じた。開演予定時刻の20時が迫り、BGMがメタリカの『Master Of Puppets』に変わると会場は異様な盛り上がりを見せ始める。舞台前面を覆う白い幕をスクリーン代わりにキツネの影絵を掲げる者も現われ、場内は「BABYMETAL!」コールの大合唱となる。

 定刻より少し遅れ『BABYMETAL DEATH』のイントロが始まり、両サイドのスクリーンにスターウォーズ風の映像が流れる。フォックスサインを掲げるアイアン・メイデンのマスコットキャラクターであるエディが登場すると観客は大歓声。さすがに本国を代表するヘヴィメタルバンドであるアイアン・メイデンを知らぬ者などいないのであろう。やがて舞台前面の幕が切って落とされると場内は早くも大興奮状態。お立ち台に上がったSU-METALは一度会場をゆっくりと見回し、満面の笑みを浮かべる。1階席真ん中付近はモッシュが始まっている。

 2曲目『いいね!』ではブレイクダウン部分でSU-METALが「セイ、ホー! UK!」と煽る。続いては『ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト』。初期の曲2連発で会場の空気をヒートアップさせた。ここで神バンドのソロタイム。ギター→ギター→ベース→ドラムと続く超絶テクのソロに、目の肥えたロンドンのメタラーも目を見開いて驚いている。

 バンドソロが終わり、ピアノが厳かな旋律を奏でる。SU-METALのソロ曲『悪夢の輪舞曲』だ。変拍子の曲だがロンドンのファンも良く知っていてキッチリとノってくるのは驚きだ。ネットやYouTubeの拡散の威力を思い知らされる。YUIMETALとMOAMETALの『おねだり大作戦』での観客のノリも日本とまったく変わらない。2人のキュートなダンスに屈強なイギリス人メタラーがニヤニヤしながらコールを送る姿を見ることになるとは思わなかった(笑)。

『Catch me if you can』のイントロが始まるとサークルピットが出現。会場の構造上の都合なのか、いつもとは反対の上手側から3人が登場するとサークルもますますスピードアップ。

 やがて静かにピアノのイントロが開始され、SU-METALの歌唱が始まると、会場は一瞬その声を聞き入るように静寂に包まれ、そして大歓声へ。『紅月-アカツキ-』を堂々と歌い上げるSU-METALを見ていると、音楽には国境が無いことをまざまざと感じさせられる。日本語の歌詞はまるでわからないはずの外国人でも、その歌に何かを感じ涙を流すのだ。

 東西も老若男女も問わず、世界中の人をまだ16歳のSU-METALの歌声が一つにしている事実に、BABYMETALをずっと見続けてきた筆者も感動せずにはいられない。これから先どんなシンガーに成長していくのかと想像すると、楽しくもちょっと恐ろしい気がしてくる。

『4の歌』が始まると会場の空気も一変。楽しげな空気に包まれる。外国人ファンが歌詞の意味までわかっているのかは疑問だが、とにかくみな楽しげなのだ。YUIMETALとMOAMETALにはそんな、周りの空気をふんわりさせてしまう魅力がある。KAWAIIにもやはり国境は無いのだ。

『メギツネ』が始まると場内は「ソレ!ソレ!」のジャンプ、そしてモッシュの嵐。会場のボルテージは最高潮まで上り詰めていく。そして『ド・キ・ド・キ☆モーニング』。BABYMETALの名がYouTubeによって世界に伝播するきっかけとなった初期の名曲は、ロンドンのファンも皆本当によく知っている。ティーンの女の子もフリコピをする子が多い。皆よく勉強してるんだなと、日本のファンとして嬉しい気分にさせられる。

 そして本編ラストを飾るのは『ギミチョコ!!』。YouTube再生数1000万回超を達成した曲の知名度はやはり高かった。3人がお立ち台に上り、一緒に歌ってとアピールすると、場内は大合唱に包まれた。曲が終わり3人は「We Are BABYMETAL!」と叫び会場は一体に。SU-METALの満足そうな笑顔が印象的だ。

 最近の彼女は余裕というか貫禄のようなものが感じられるようになってきた。16歳といえどこれだけの凄い経験を積んでいるのだ。もはやアイドルという枠を超えて、日本の若手女性シンガーではナンバーワンと言っても言い過ぎではないのではと思えてくる。会場はアンコールを求める「We Want More!」、「BABYMETAL!」の大コールに包まれる。

 やがて荘厳なイントロの『ヘドバンギャー!!』が始まると場内は再び最高潮の盛り上がりへ。モッシュ、ヘドバン、フリコピとすべてが一体化した熱い盛り上がりは、そのままラスト『イジメ、ダメ、ゼッタイ』のWOD(ウォール・オブ・デス)へと続く。今回はタイミングばっちりのWODで、そのままダメジャンプへとこの日最高の盛り上がりを見せてアンコールは終了。

 再びお立ち台へ上る3人。YUIMETALとMOAMETALが掲げるユニオンジャック風のBABYMETALフラッグにロンドンのファンも大歓声だ。神バンドのメンバーも会心の笑顔でオーディエンスに応え、前列の客に握手を求める。

 1時間15分ほどの短い時間ではあるが、非常に濃縮された、密で熱いライヴだった。会場の外に出ると21時半、高緯度でサマータイムのロンドンはまだ薄明るい。まだまだこの場を去りがたいファンは日本人も外国人も、知り合いも知らない人間も関係なく、皆笑顔で語り合っている。こんなライヴもそうはないんじゃないだろうか?

 2010年、さくら学院の部活動ユニット「重音部」が、たった4年でここまで来るとは……。そして3人のメンバーの急速な成長には驚くばかりである。会場のすべてのファンを一体化させたBABYMETALを、同じ日本人として本当に誇りに思えた一夜だった。会場近くからホテル方面へのバスの中で、イギリス人オールドメタルファンと会話した。彼は最後にこう言ってくれた……。

「BABYMETALを日本からイギリスに連れてきてくれてありがとう」

<セットリスト>

1  BABYMETAL DEATH
2  いいね!
3  ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
4  バンドソロ
5  悪夢の輪舞曲
6  おねだり大作戦
7  Catch me if you can
8  紅月-アカツキ-
9  4の歌
10  メギツネ
11  ド・キ・ド・キ☆モーニング
12  ギミチョコ!!
E1  ヘドバンギャー!!
E2 イジメ、ダメ、ゼッタイ
 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。 
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タグ: BABYMETAL