コラム

ご当地アイドル界隈に咲く一輪の純白の花「アイリス」

2014年07月20日 10時00分

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 その数約500にもおよぶご当地アイドルたち。個性という枠では括れないほどの、オリジナリティを持ったグループが席巻する中、宮城を拠点に活動する3人組アイドル・アイリスはその可憐な立ち姿で魅了し続けている。

 


 2013年7月に開催されたTOKYO IDOL FESTIVAL2日目にて、ひとつのグループが解散した。名前は『テクプリ』。2009年結成、プロデューサーのトベタ・バジュン氏によるアフター渋谷系な愛らしいエレクトロポップサウンド、日に日にレベルアップしていくメンバーの立ち振る舞いと姿勢。何より、とにかくピュアネスど真ん中のルックスは並み居るグループの中でも群を抜いていたグループだったと本気で思う。

 そんな彼女たちのラストステージの姿は今でも鮮明に覚えている。泣きじゃくりながらも凛とした姿で終始歌い踊る彼女らに胸と目頭はただただ熱くなり、とっていたメモ帳は涙で滲みよく分からない文章になっていた。

「またこの舞台に戻ってきます!」の宣言に想いを馳せつつ、最後の握手会光景を見送った去年の夏……。

 と思った矢先の2ヶ月後の2013年9月、テクプリの3人、リオ、モモカ、ユキノが再び虹の女神と再始動(リスタート)をつなぎ合わせた『アイリス』として帰ってきた! 早すぎて面食らったのも事実だが……。

 アイリスの魅力、それは持って生まれしオーラ、と言ったところか。所謂アイドルイベントに出演しても積極的に発言せず、良く言えば落ち着いている悪く言えば消極的に映るマイペースぶり、テンション高めなアイドルがいれば完全に押し負けることも多々。

 しかしミスヤングチャンピオンに輝いた、ふわりとした雰囲気のリオ、ワッチミーナ2014グランプリのユキノはキリッとした目元が涼しげ、天真爛漫な可愛さが炸裂する最年少のモモカ……眉目麗しすぎるトライアングルは、その場にいるだけで圧倒的な存在感を放ち、そのひとつで空気を全部を持っていく。

 奥ゆかしいまでの立ち姿から一転してステージでは約5年に渡る活動に裏打ちされた技術が出たダンスは一瞬に見せるキレ、曲の世界とシンクロする姿からはパッションがほとばしる。

 まさしくグループ名の源となった女神アイリスの聖花、菖蒲の花言葉「情熱」の表れのようだ。

 今年3月に発売されたデビューシングル『魔法の呪文/アイリス』はミッドなディスコやモータウンを通過したスッと耳と心の琴線に落ちていく音。線が細くも芯の強さを感じる声も真っ直ぐかつ純情なイメージを与える。一方で照れの混じった台詞パートにおけるある種の普通さも魅力へと昇華させる。

 コンピレーション『Girls Pop'n Party Idol Parade Neo』収録の『シークレットマジック』もアシッドジャズ調と、テクプリ時代とはまた違った、少し大人になった清涼感は愛らしさが美しさへと変貌していく過程を見ているかのようでドキドキさせる。

 この夏には待望の二枚目『プリズムレター』の発売も決定している。この夏一番の涼やかで清らかな音を彼女たちは放ってくれるはずだ。

 そんな彼女たちがこの夏、TIF2014に帰ってくる。これほど楽しみな真夏の始まりはない。



 
田口 俊輔:アイドル、映画、音楽などについて書きたい系フリーライター/編集。アイドル関係では『Top Yell』『日経エンタテインメント』『アイドル最前線』『アイドル楽曲ディスクガイド』など
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