コラム

乃木坂46アンダーライブを支えた永島聖羅は、もう笑顔を忘れない

2014年07月29日 07時00分

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 永島聖羅といえば、乃木坂46の中でも笑顔が印象的なメンバー。昔から「自分にツラいことがあっても、できるだけ笑顔でいたい」と心がけて生きてきたという。しかし、乃木坂46に入って、うまく笑顔ができなくなった日もあった。永島は握手会、バラエティ番組、ラジオのレギュラーを通して、そんな苦境を乗り越えてきた。そして、7月26日の9thアンダーメンバーによるライブで、ひとつの奇跡が起きた。

 


 女優に憧れを持っていた永島は、乃木坂46に入るまでにさまざまなオーディションを受けていた。しかし、最終審査まで行くことはあっても通過することはなかった。そんな時に知った乃木坂46のオーディション。愛知県に住んでいた永島は、『乃木坂の詩』のように乃木坂がどこにあるかなんて何も知らなかったが、受けて損はないとオーディションに応募した。

 女優へのステップと思って入った乃木坂46だったが、やってみたらアイドルは想像以上に楽しかった。だけど、楽しいことと同じくらい落ちこむことも多かった。最初の挫折はデビュー曲『ぐるぐるカーテン』の選抜に入れなかったこと。トレードマークである笑顔の作り方も忘れてしまい、スタッフに「私、笑えてますか?」と聞いていたという。

 そんな永島の気持ちを変えたのは、握手会に来たファンの声だった。その年の夏にZEPP(大阪と名古屋)で行なわれたライブで端のほうで踊っていた永島を観て、「推しは違うけど、ライブを観ていたら気になって」というファンがいたのだ。

「どんな場所でも見てくれる人はいる。自分らしくいよう」と永島は思えるようになった。

 5thシングル『君の名は希望』で初の選抜入り。しかし、ここでも永島は挫折を味わう。いざ選抜に入ったものの、自分をどう出していいのかわからずに笑顔も固く、痛々しくなっていた。「何のために上京したんだろう」。そう思ったこともあった。

 6thシングル以降はアンダーとして活動してきた永島にとって、ひとつの転機となったのが『NOGIBINGO!2』(日テレ系)だった。アンダーメンバーもレギュラーで出演することができたこの番組で爪痕を残し、司会のイジリー岡田からことあるごとに振られるようになった。『NOGIBINGO!2』で振り切れるようになった永島は、「かわいい子はたくさんいるけど、バラエティなら永島と思われたい」と思うようになったという。

『NOGIBINGO!2』では、2期生がフィーチャーされた時に「2期生よりもアンダーが先でしょ」と発言したこともあった。「アンダーをもっと見てほしい」という思いからだった。収録前には2期生に「こんなことを言うかもしれないけど、気にせずに2期生からも来てね」と前置きをしての行動だった。

 今年4月からはアルコ&ピースがMCを務めるFM FUJI『沈黙の金曜日』にレギュラー出演するようになる。番組内だけの愛称「永さん」をつけられるなど、アルコ&ピースの愛あるイジりに対して笑顔で返していくうちにアドリブ力が身についていった。

 永島が今、大切にしているのはアンダーライブ。4月と5月に行なわれた8thアンダーによるライブは、MCを衛藤美彩と斉藤優里が中心に回していたが、2人が不在の9thアンダーライブでは永島がMCを仕切るものだと筆者は思っていた。しかし、フタを開けてみると9thアンダーは、よりひとりでも多くのメンバーが話せるような形になっており、永島はフォローに回ることが多かった。

 取材してみると舞台裏でも永島はメンバーのフォローすることが多かったようだ。前回と違って2期研究生を混じえたライブということもあって、1期では最年長となる永島に自覚が芽生えたのかもしれない。

 7月26日夜、9thアンダーライブは千秋楽を迎えた。アンダーライブ名物となったユニットコーナーは、25日、26日昼を合わせた3公演でファンからの投票上位12曲から抽選して4曲を決めて歌う形をとっていたのだが、3公演すべてで畠中清羅が入ったユニットが選ばれてないという事態になってしまう。ファンから「もう1回コール」が発生すると、永島は「私が怒られてもいい。アンダーライブを成功させたい!」とスタッフに直談判することを宣言。巻き起こる「永さん」コールに永島ははにかんだ。

 その熱意が通じたのか、追加で4曲歌うことが急遽決定。畠中が2曲も歌えただけでなく、中元日芽香&川村真洋の実力派2人による『渋谷ブルース』は満員の観衆に鳥肌を立たせ、続く『ダンケシェーン』での一体感は選抜のパフォーマンスに勝るとも劣らないものだった。『ダンケシェーン』の最後、永島が「やっぱアンダーライブ最高だな!」と叫ぶと、客席からは大音量の「だな!」という声が返ってきた。

 アンコールの最後、『乃木坂の詩』を歌うと、今秋に10thのアンダーでのライブが決まったことに永島は「9枚目を超えるアンダーライブを作りたい」と大きな声で誓い、メンバーはステージからはける。しかし、永島はすぐに戻ってきて再びに舞台に立つとメンバーを手招きして、全員が一列に並んで手をつないで、マイクを通さずに「ありがとうございました」と感謝の想いを伝えた。

 メンバーが去るとダブルアンコールが発生。終演のアナウンスがかかっていたが、その声は鳴り止まない。そこにあるのは自分たちからも感謝を伝えたいというファンの純粋な想いだった。すると『ロマンスのスタート』のイントロが流れ、泣きはらした目のメンバーたちがステージに飛び出してきた。メンバーとファンの想いが高い地点でひとつになったその景色は、めったに訪れることのない奇跡の瞬間だ。もう永島が笑顔を忘れることはないだろう。

 永島は、友達からの「アンダーメンバーに必要な存在になっちゃダメだよ。乃木坂46に必要な存在にならないと」という言葉が胸に強く残っているという。「ここで満足しちゃいけない」。それはわかっている。上には行きたい。行かなければいけない。ただ、今はアンダーメンバーの存在を知ってもらいたい。そのために永島は全力で歌って踊ってたくさんの汗を流す。8月16日からスタートする全国ツアーで、アンダーメンバーは、そして永島聖羅は、熱い想いをステージにブツけることだろう。


 
大貫真之介 アイドルとお笑いを中心に執筆。乃木坂46写真集『乃木坂派』、『EX大衆』、『TopYell』、『日経エンタテインメント』、『an an』アイドル特集号、などで乃木坂46のインタビュー記事を担当した。    
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タグ: 乃木坂46 

          

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