コラム

ひめキュン新曲『パラダイム』で垣間見えた、アイドルブーム後への“覚悟”

2014年08月21日 10時00分

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 少しショックだった、ひめキュンフルーツ缶のメンバーの発言がある。リーダーである谷尾桜子と、LinQのリーダー天野なつ、Dorothy Little Happyのリーダー白戸佳奈との、音楽ニュースサイト「ナタリー」における鼎談の時のものだ。

 谷尾はここで、今のアイドルシーンが低迷期に入っているのではないか、と述べている。

「メンバーとも話してたんですけど、業界自体の勢いがちょっと落ちてきたというか。それってウチらだけかなって思ったら、ほかのグループもどうやら難しいようで。そういう時期に突入しちゃったんじゃないかなと」

ひめキュンフルーツ缶のリーダー、谷尾桜子

 確かに、2013年頃からアイドルブームが落ち着き始めたという話を耳にするようにはなった。とはいえ、武道館でライブを行なうグループは次々と出てくるし、「TOKYO IDOL FESTIVAL」(TIF)の動員も年々増えている。新しいグループも続々誕生している。落ち着き始めたなんて杞憂なんじゃないか、と思うようにしていた。

 しかし、谷尾桜子の実感として語られる「低迷期」。アイドル自身すらそれを感じてしまっている状況があるのか、と愕然とした。

 そんな中、8月27日に、ひめキュンフルーツ缶のメジャー第4弾シングル『パラダイム』が発売される。

ひめキュンフルーツ缶メジャー4thシングル『パラダイム』通常盤

 前作『ハルカナタ』がひめキュンにしては珍しい季節ソングで、ポップで、(比較的)オーソドックスなアイドルをイメージさせる曲調だったのとは打って変わって、従来通りの硬派な曲調(従来といっても、あくまでもメジャーデビュー以降のシングル表題曲『アンダンテ』、『モラトリアム』の流れにおいて、という意味だが)。

 この『パラダイム』を聴いて、そしてライブで観て、感じたのはひめキュンフルーツ缶というグループにとって、アイドルブームの行く末はさほど問題ではないのかもしれない、ということだ。

 いや、もちろん、問題ではない、というほどにひめキュンは大御所でもないし、まだ爆発的なブレイクを見せているわけでもない。ブームが停滞すれば、影響を受けることは必至だろう。しかし、アイドルブームに頼らずに、たとえアイドルブームが終わろうとも、ひめキュンは、その存在をより確固たるものにしていく。そんな決意・覚悟を『パラダイム』からは感じるのだ。

ひめキュンフルーツ缶。左から奥村真友里、河野穂乃花、岡本真依、谷尾桜子、菊原結里亜

 ここからは完全な妄想に過ぎない話。

 ひめキュンのメンバーは『パラダイム』に関して、「周囲に流されてばかりの世の中に対して、『流されてんじゃねーぞ』という怒りの歌」だと説明する。しかし、本当は、誰かに対しての怒り・メッセージではなく、ブームの盛り上がりに決して流されることなく、自分達の信じた道を突き進む、というひめキュン自身の意思表明なのではないだろうか。
 
【次ページ】「CDリリースに感じたひめキュンの余裕とは」
 
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